下の日記からずいぶん時は過ぎ、気がつけばもう2009年。
ずっと放ったらかしだったこのブログ。
毎日足を運んでくださった方がいることに申し訳ない思いでいっぱいですが、心から感謝しています。
つわりや風邪で体調が悪かったり、年末でなにかと忙しかったのだけれど、下に書いたようなアンの変化が少しずつおさまったのが、クリスマス直前のこと。
ようやく別の章に移ることができた気がする。
対人恐怖症というか、プレイグループへ行きたがらないこと以外にも、家でも外でも誰にも会いたがらず、誰かが遊びに来ても、外で偶然友達に会っても涙だったりする日々が続いていた。
無理強いだけはしないように、ポジティヴに励ましたり、心許す友達を呼んで交流をはかったりするようにして見守る毎日だったけれど、内心親として不安は捨てきれず..。
新年にはいってナーサリー(保育園)がスタートすることが決まっていたのだけど、このままだと延期した方がいいかもと思い始めていた。
地味な努力がアンの心の琴線に触れてくれたのか、クリスマス休暇に入る直前にやっと変化の兆しが見えて、また少しずつプレイグループで遊べるようになった。
ナーサリーが始まることはぎりぎりまで口にしないことにして、楽しいクリスマスを家族と過ごし、年が明けた。
リクエストに応えて、ナーサリーに持っていくカバンに天使のアップリケをフェルトで作って縫いつけてあげたり、園内シューズを一緒に選んだりして、その日は近づいてきた。
初めてナーサリーに行く前の日、私の実家の祖父が亡くなりその夜は全く眠れなかったのだけど、敏感なアンにもその空気は十分伝わっていたようで、珍しく夜中何度も泣いて起きて、おびえていた。(翌日きくと、モンスターが出てきたらしい。悪夢?)
みんなで寝不足の朝。最悪なスタートだな..と心配していたのだけど、「今日からナーサリーに行く?」と控えめにきくと、「行きたい!」という元気な返事に正直驚いた。
私の方がドキドキしているのかなと思っていたら、ナーサリーについた途端アンはガタガタと震え出し、「だっこ、だっこ!」とせがんできた。
ところが屋内へ入るとすぐリラックスして、私があっけらかんとしてしまうほど すんなりと溶け込んでくれた。初日はアンが必要なだけ一緒にいようと思っていたのだが、15分ほど様子を見て、思い切って立ち去ることにした。アンは全く泣かず、スタッフの方いわく「ママの一言もないまま」2時間半しっかりといたようだ。
このナーサリーはスタッフの一人の家の中なので、とてもアットホームだ。
子供の数も10人ほどと少なく、スタッフは経験豊かな年配の女性が3人で見ていてくれて、庭の野菜や果物を使ってクッキングをしたり、葉っぱや花でクラフトしたり、内容もとても充実している。
週に2日、午前中の2時間半という短い時間だけれど、アンにとっては大冒険。親の私達にとっても大冒険。今までずっと付きっきりだった生活から、週に5時間アンと離れるにあたって、ベストな環境を選びたかった。
この9月から幼稚園(プリスクール)が始まるため、その準備としてのナーサリーなのだけど、とにかくアンの様子を見ながらと常に思っていた。
イギリスではわりと早く子供に独立性を求める傾向があって、それが疑問に思えてならなかった私は、焦らずにここまで待って3歳と2ヶ月になってやっとアンがすんなり新しい環境に入ってくれたことを嬉しく感じている。
送って家に戻っての2時間弱、ちょっと淋しい思いで掃除をしたり、お茶を飲んだり、雑用を片付けたり、Beとゆっくり話したり.. こんな時間はこの3年間なかったから、まだちょっと不自然なのだけど..。
2往復長い道のりを、必死になって自転車こいでいる自分をふと客観的に見つめると、私も母親になったんだなあ、アンも大人になったんだなあなんてちょっと切なくなる。
私も、自転車を必死にこいで幼稚園に連れて行ってくれる母親や祖母の姿を、なんとなく覚えている。
その姿はいつも「私のため」という安堵と、自然な満足感を見せてくれた。
私の後ろ姿はアンの目にどう映っているんだろう.. いつか、アンが20歳頃になったら、ちょっと訊いてみたい。